ロコアテープ

臨床成績

第Ⅲ相臨床試験(フルルビプロフェンパップとの比較試験[検証試験])

起立時の膝の痛みに対する鎮痛効果[主要評価項目]

試験概要

ロコアテープ群はフルルビプロフェンパップ群に対してVAS変化量(終了時)において優越性が検証されました。

【VAS(起立時の膝の痛み)の評価・測定方法】椅子から立ち上がる時の膝の痛みを、患者がVASで評価した。欠測値について、各評価時期は集計から除外、終了時はLOCF(Last Observation Carried Forward)法を用いて入力した。

承認時評価資料(変形性膝関節症患者を対象とした第Ⅲ相試験)

Yataba I et al. Mod Rheumatol. 2017; 27: 130-6

[利益相反]本試験は大正製薬株式会社の支援によって行われました。

本論文の著者には、大正製薬株式会社の社員が含まれます。

第Ⅲ相臨床試験(フルルビプロフェンパップとの比較試験[検証試験])

歩行時の膝の痛みに対する鎮痛効果[その他の評価項目]

試験概要

ロコアテープ群はフルルビプロフェンパップ群に比べて貼付1週後、2週後、終了時におけるVAS変化量の改善を示しました。

【VAS(歩行時の膝の痛み)の評価・測定方法】毎日、歩行時の膝の痛みを、患者がVASで評価した。欠測値について、各評価時期は集計から除外、 終了時はLOCF(Last Observation Carried Forward)法を用いて入力した。

承認時評価資料(変形性膝関節症患者を対象とした第Ⅲ相試験)

Yataba I et al. Mod Rheumatol. 2017; 27: 130-6

[利益相反]本試験は大正製薬株式会社の支援によって行われました。

本論文の著者には、大正製薬株式会社の社員が含まれます。

安全性

ロコアテープ群の副作用発現率は13.0%(41例/316例)で、貼付部位が9.5%(30例/316例)、貼付部位以外が4.4%(14例/316例)であった。フルルビプロフェンパップ群の副作用発現率は3.8%(12例/317例)で、貼付部位が1.6%(5例/317例)、貼付部位以外が2.2%(7例/317例)であった。
ロコアテープ群の主な副作用は、貼付部位では適用部位皮膚炎3.5%(11例/316例)、適用部位湿疹1.9%(6例/316例)、適用部位紅斑および適用部位そう痒感各1.6%(5例/316例)、貼付部位以外では血中尿素増加1.6%(5例/316例)、血中クレアチニン増加1.3%(4例/316例)が認められた。フルルビプロフェンパップ群では、貼付部位では適用部位皮膚炎0.6%(2例/317例)、貼付部位以外ではALT(GPT)増加、AST(GOT)増加各0.6%(2例/317例)などが認められた。
重篤な副作用として、ロコアテープ群に回転性めまい1例(貼付中止)が認められた。重篤な副作用以外で貼付中止に至った副作用は、ロコアテープ群では適用部位皮膚炎3例、発疹1例、フルルビプロフェンパップ群では適用部位皮膚炎1例であった。

第Ⅲ相臨床試験(フルルビプロフェンパップとの比較試験[検証試験])

デザイン

多施設共同無作為化並行群間比較試験(医師・患者は盲検、治験協力者は非盲検)

目的

変形性膝関節症患者に対し、ロコアテープまたはフルルビプロフェンパップを2週間貼付し、有効性(フルルビプロフェンパップに対する優越性)を検証するとともに、安全性を検討する。

対象

変形性膝関節症患者633例

主な選択基準:●片膝優位に疼痛症状あり(非評価膝の疼痛症状が軽度またはなし)

●X線所見でKL分類のⅡ∼Ⅲ度に該当

●膝の手術歴、他の膝痛疾患の合併なし

方法

ロコアテープ群またはフルルビプロフェンパップ群に無作為に割り付け、ロコアテープ群は1回1枚(40mg)を1日1回、フルルビプロフェンパップ群は1回1枚(40mg)を1日2回、評価膝に2週間反復貼付した。

評価項目

  • ●主要評価項目:VAS*による疼痛評価(起立時の膝の痛み)
  • ●副次評価項目:臨床症状推移、全般改善度
  • ●その他の評価項目:患者の印象、VAS*による疼痛評価(歩行時の膝の痛み)
  • ●安全性評価項目:有害事象・副作用、臨床検査値・理学検査値

*VAS:Visual Analogue Scale

解析計画

[主要評価項目]VAS(起立時の膝の痛み)は、貼付開始時、1週後、2週後、および中止時に測定し、各測定値および変化量について用量群別に基本統計量を算出した。終了時(貼付2週後または中止時)における変化量はベースラインを共変量とした共分散分析を適用して群間比較を行い、95%信頼区間および群間差の95%信頼区間を算出した。
[副次評価項目]臨床症状推移(合計)について、貼付開始時、1週後、2週後、および中止時に測定し、主要評価項目と同様の集計・解析を行った。全般改善度について、2週後、または中止時に測定し、用量群別に頻度集計を行った。また、2標本Wilcoxon検定を適用して群間比較を行った。
[その他の評価項目]患者の印象について、2週後、または中止時に測定し、副次評価項目の全般改善度と同様の集計・解析を行った。VAS(歩行時の膝の痛み)について、毎日測定し、主要評価項目と同様の集計・解析を行った。有意水準は、有効性に関する検定では2.5%(片側)とした(特に定める場合を除く)。

第Ⅲ相臨床試験(長期投与試験)

安全性:副作用

重篤な副作用として、1枚貼付群に出血性胃潰瘍1例(貼付中止)が認められた。重篤な副作用以外で貼付中止に至った副作用は、貼付部位(301部位)では適用部位皮膚炎10部位、適用部位湿疹3部位、貼付部位以外では血中尿素増加1例(2枚貼付群)であった。

全般改善度

試験概要

終了時における中等度改善以上の割合は73.1%でした。

【全般改善度の評価・測定方法】臨床症状を基に、変形性関節症の改善度を開始時と比較して、医師が5段階で評価した。
欠測値について、各評価時期は集計から除外、終了時はLOCF法を用いて入力した。

承認時評価資料(変形性関節症患者を対象とした長期投与試験)

Yataba I et al. Clin Drug Investig. 2016; 36: 673-82

[利益相反]本試験は大正製薬株式会社の支援によって行われました。

本論文の著者には、大正製薬株式会社の社員が含まれます。

第Ⅲ相臨床試験(長期投与試験)

デザイン

多施設共同非対照非盲検試験

目的

変形性関節症患者を対象に、ロコアテープ1枚(40mg)および2枚(80mg)の長期間貼付時の安全性を検討する。

対象

変形性関節症患者201例(301部位)

主な選択基準:●評価部位に明らかな疼痛症状を有し、長期間のNSAIDs治療を必要とする患者

●X線所見で評価部位に変形が認められる患者

方法

ロコアテープ(40mg)を1回1枚もしくは2枚を1日1回、評価部位1部位につき1枚を36週間以上(可能な限り52週まで継続)貼付した。

評価項目

  • ●安全性(副作用・有害事象、臨床検査値・理学検査値)
  • ●有効性(臨床症状、全般改善度、患者の印象)
  • ●薬物動態(血漿中未変化体濃度)

解析計画

[安全性]副作用・有害事象は、発症部位および用量群別に頻度集計を行い、治験薬との因果関係別に件数を集計した。臨床検査値・理学検査値は、貼付開始時、2週後、4週後、以降4週ごとに52週まで、および中止時に測定し、各検査項目について、計量値データは用量群別に基本統計量を算出、計数値データは用量群別にクロス集計を行った。
[有効性]臨床症状は、貼付開始時、2週後、4週後、以降4週ごとに52週まで、および中止時に測定し、各評価時期の値および開始時からの変化量の基本統計量を全部位および各評価部位別に算出し、各下位項目についても同様の集計を行った。全般改善度は、2週後、4週後、以降4週ごとに52週まで、および中止時に測定し、用量群別に各評価時期の値の頻度集計を行った。

8.重要な基本的注意(抜粋)
8.2 長期投与する場合には次の事項を考慮すること。
・定期的に尿検査、血液検査及び肝機能検査等を行うこと。[11.1.2参照]
・薬物療法以外の療法も考慮すること。
8.4 本剤の貼付により皮膚症状が発現した場合には、本剤を休薬又は本剤の使用を中止するなど、症状に応じて適切な処置を行うこと。

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